{設置の経緯と目的}家庭が教会と社会の基礎単位であり要であるということは、誰もが認めるところです。実際、教会あるいは社会を構成している一人ひとりの人格は、まず家庭で、特に親、さらには兄弟とのかかわりの中で育まれます。そして、人と人との愛に満ちたつながりこそが、人のいのちであり、支えであり、真の幸福のもとなのです。ところが、どの家庭も大なり小なり問題や課題を抱えていますが、中でも人格形成に最も重要な役割を果たすはずの、夫婦、親子、兄弟のつながりが希薄になり、あるいは破綻している家庭が増えていま、カトリック信者の家庭も例外ではありません。
さて、家庭を支援するために、2001年度に教区の諸委員会の一つとして「家庭委員会」が設置され、さらに2009年度の教区組織再編で、福音化推進部の中の「家庭福音化担当部」となりました。
しかし、家庭の重要性がますます高まる中で、それに対応する特別な委員会の必要が求められました。そこで、2011年度をもって、本部事務局直轄の「家庭特別委員会」を設置することにしました。それは、家庭がキリストの福音によって生かされて本来の姿を取り戻し、あるいは発展させ、さらには周囲の人々に福音の精神を分かち合うことができるよう助けるためです。(言の波54号より)
まずは、家庭の状況が複雑になっていますので、それを絶えず把握する必要があります。信仰の立場から見ると、家族全員がカトリック信者の家庭もあれば、一部2・の人だけがカトリック信者という家庭もあります。世代の点から見ると、一世代だけ、二世代以上の家族、夫婦だけ、一人暮らしの人もいます。社会状況は、都市部と地方では異なります。母子家庭、父子家庭があります。就業状況も、親あるいは子だけが働いている場合、親が共働きの場合、自営業、無職、年金暮らしなどさまざまです。
(1) 福音に基づく家庭生活への準備
(a)堅信式を準備する人たちが、性、いのち、結婚、家庭などについても学ぶことができるよう、ふさわしいテキストを作成する。
(b)結婚をひかえた人たちのために結婚講座を企画し、実施する。
(2) 家庭が福音の精神に生かされ、周囲を福音の精神で生かすことができるための支援
(a)家族間のつながりを信仰と愛に満ちた、より強く、より暖かいものにするのを助けるために、たとえば、黙想会
あるいは研修会を企画・実施する。
イ・ 対 象
①夫婦(マリッジ・エンカウンター)、 ② 家族全員、③ 高齢者、④ 独身者、⑤ 別居中あるいは離婚した人など
ロ・ 内 容:聖書と教会の教えに基づく、
① 自然に即した家族計画、② 家族のあり方、 ③ 離婚の問題 など。